私は優しい人になりたい
昔の話を。
小学生の頃、僕のクラスには少しいじめられてる女の子がいて。
見てくれがおばあちゃんみたいで(歯並びがすごく悪かったのとしわがすごく多かった)、男子からのウケが悪くて、すごく怒りっぽい性格だったので女子からも線を引かれてた。
二つ上にとても喧嘩の強い兄ちゃんがいたので(妹思いのね)腫れ物にはさわるな的な雰囲気がその子のまわりには流れてた。
たまたま席が近くになった時に、勉強を教えてあげた。
一ヶ月毎日同じ席なものだから毎日教えてあげるようになった(勉強が苦手な子だった)。
それをどう解釈したかは知らないけれど、クラスでの僕の立ち位置は非常に悪くなったように憶えている。
でも僕はそれはそれで置いといて気にせず勉強を教えてあげてた。
一桁の足し算もままならない子だったから、かなり苦労したけれど、根気よく丁寧に教えることが出来てたと思う。
それで先生が何を考えたか、席替えしても(毎月の始めにあった)その子の隣りはいつも僕という決まりを作った。
しかもその子は瓶底めがねをかけても黒板が怪しいというほどの近眼だったので、一番前。
つまり僕の席は学年をあがるまでの何ヶ月かの間ずっと、一番前のその子の隣りだった。
今、考えりゃ、好きな子の隣りに座りたいとか席替えのワクワクとか欲しかったろうに(笑)、自分が役に立つならとその時の僕は思ってた。
一年の最後の何週かにそれぞれが作文をみんなの前で読むという機会があって。
まぁよくある小学校の授業のパターンだよね(笑)。
みんな一年間の運動会とか音楽会を振り返って書く、例のヤツだよ。
その子の読んだ作文をついさっき思い出した。
すごく短い作文だった。
真田くんは優しい。
クラスのみんなが色々言ってもいつも優しくしてくれる。
足し算とか算数とか教えてくれる。
私はかわいくないのに私にも優しい。
私は真田君みたいな優しい人間になりたい。
そうです、これ、自慢話ですよ(笑)。
そんなこと、言われたなぁ。
けっこうはっきり思い出した。
だって授業中にいきなりそれ読み出すんだもの(笑)。
その後、クラスのみんなに囲まれてなんかヒドイ目にあったような…(笑)。
まぁまぁ今となってはいい思い出話だよ。
そんな自分がいたんだなぁって。
これも自慢だけど、僕は生まれてこのかた、電車やバスでお年寄りに席をゆずらなかったことがありません。
眠くても熱があっても一度もない。
これも自慢出来る僕です。
僕はそんな大好きな色んな僕を2008年の12月に置き忘れてきてしまった。
落っことしちゃったという方があてはまってるかもしれない。
記録としての記憶では確かに憶えていても感覚がついていかない。
どんなことで笑ってただろう、どんなことで悲しくなってただろうって。
でもいつまでもそのままじゃいけない。
ファイナルファンタジー12というゲームをやってました。
同居人が貸してくれたんです。
テレビも見ないでお酒も飲まないで部屋でぼーっとしてる僕にどうせならって。
優しい人だね。
僕はあなたみたいな人になりたい(笑)。
そのゲームももうすぐクリアなんだけれど、頭の片隅で、これが終わったら色々とやらなきゃな、向き合わなきゃなって思ってました。
またゲームのタイトルが今の自分とぴったりで面白いね(笑)。
夢物語が終わってしまう時、やっぱり瞼をあけなきゃね。
ゆっくりお風呂につからなきゃいけない。
美味しいと思いながら御飯を食べなければいけない。
心配してる人に僕の答えをしめさなきゃいけない。
取り戻せないなら、もう一度作り上げなきゃいけない。
みんなの心に届く唄をうたいたいから。
うたいたいと思ってる自分がいるんだから。
自分では忘れててもこの僕は、俺は真田暎人なんだものなぁ…(笑)。